シンガポールのHIV陽性者リストが流出、国外追放の米国人がネット掲載
(CNN) シンガポール当局は28日、過去にエイズウイルス(HIV)検査で陽性になった計1万4200人の名前や連絡先のリストがインターネット上に流出したことを明らかにした。
同国保健省の発表によると、リストには2013年1月までにHIV陽性と判定されたシンガポール人5400人と、11年12月までに陽性判定を受けた外国人8800人の名前や身分証明書番号、電話番号、住所、医療情報が記載されている。
当局は26日以降、記載されていた本人に順次通知し、支援を提供しているという。
同省によれば、リストを流出させたのは昨年までシンガポールに住んでいた米国人の男。詐欺や薬物関連の有罪判決を受け、2年4カ月にわたって服役した後、昨年5月に国外追放されていた。
シンガポール紙ストレーツ・タイムズは、男自身も08年にHIV陽性と判定されたと伝えている。これをシンガポールの労働当局に隠すため、シンガポール人パートナーの血液を自分のものと偽って提出したという。
シンガポールは16年まで、HIV陽性と判定された外国人の入国を禁止していた。その後、観光客への規制を緩和したが、現在も就労ビザや永住権の取得は認めていない。
パートナーはシンガポール保健省の元幹部で、不正行為を手助けした罪などに問われ、昨年9月に禁錮2年を言い渡されたが上訴している。
米国人の男はこのパートナーを通してリストのコピーを入手し、国外追放後も一部の情報を保持していた。それを今月、ネット上に流し始めたという。
シンガポール警察が情報漏えい事件として捜査している。