ベネズエラ軍と衝突、国境住民が1人死亡 国際支援物資めぐり
カラカス(CNN) 南米ベネズエラのブラジル国境近くで22日、国際支援物資の搬入をめぐりベネズエラ軍兵士と地元先住民のグループが対峙(たいじ)する状況となり、地元首長によると、先住民側の少なくとも1人が死亡、十数人が負傷した。
グランサバナの首長、エミリオ・ゴンザレス氏はCNNの取材に「軍は仲裁に入るのではなく発砲を始めた」と述べた。
ゴンザレス氏によると、死亡したのは34歳の女性。前日にはベネズエラのマドゥロ大統領がブラジル国境を閉鎖しており、この女性の所属する先住民グループと軍が衝突する事態となった。
ベネズエラ国防省はCNNに対し、今回の件に関する情報は持っていないとしている。
ベネズエラでは今週末、野党勢力がマドゥロ氏の意向に反して支援物資搬入を行う予定で、国境地帯では緊張が高まっている。
野党勢力を率いるグアイド国会議長は先月、憲法の条項を援用して暫定大統領就任を宣言。海外の協力国と連携し、国民に食品・医薬品を届ける取り組みを進めている。
ベネズエラに近いブラジル・ボアビスタで粉ミルクの袋を受け渡すブラジル軍兵士/NELSON ALMEIDA/AFP/Getty Images
西部のコロンビア国境では22日、人道支援の賛成派と反対派がそれぞれコンサートを開始した。国境に架かるティエンディタス橋はマドゥロ氏が封鎖しており、支援物資は積まれたままの状況だ。
ベネズエラ国境に近いコロンビア・ククタでリチャード・ブランソン氏が開いたコンサート/LUIS ROBAYO/AFP/AFP/Getty Images
英富豪リチャード・ブランソン氏はこの日、国境のコロンビア側の町ククタで人道支援のためのコンサートを開催。一方、橋を挟んでベネズエラ側に数百メートル入った場所では、マドゥロ氏がこれに対抗するコンサートを開いた。