正恩氏、プーチン氏と会談準備か 寧辺に新たな動きも
(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)労働党委員長がロシアのプーチン大統領との初会談を予定しているという観測が流れるなか、米国のビーガン北朝鮮担当特別代表がモスクワ訪問に出発した。
ビーガン氏は、今年2月にベトナムで行われた第2回米朝首脳会談が決裂した後、停滞している核交渉の再開を目指すとみられる。
正恩氏とプーチン氏の会談については北朝鮮、ロシアのどちらからも正式な発表はないが、韓国の外務当局者は16日、両氏による首脳会談の計画が進んでいるとの認識を示した。
正恩氏は昨年、シンガポールでの第1回米朝首脳会談の数日前にロシアのラブロフ外相と会談していた。プーチン氏とは過去に対面したことがないとみられる。
韓国メディアによると、両氏の会談は中国の「一帯一路」経済圏構想をテーマにしたフォーラムに合わせて行われることも考えられる。このフォーラムは北京で月内に開かれるとみられている。
航空機追跡サイトのフライトアウェアによると、北朝鮮の高麗航空は18日に平壌からロシア極東ウラジオストクへの便を運航する。この路線は通常、月曜日と金曜日の2便のみだが、18日は木曜日だ。この便が首脳会談と関係しているかどうかは明らかでない。
一方、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)によると、北朝鮮・寧辺(ヨンビョン)の核施設で最近、新たな動きが観測された。
特殊な鉄道車両が写った寧辺核施設の衛星写真/CSIS
CSISが12日に入手した衛星写真で、寧辺のウラン濃縮施設と放射性物質研究施設の近くに、特殊な鉄道車両5両が確認されたという。
CSISの専門家がCNNに語ったところによると、車両は放射性物質の運搬に使われた可能性がある。具体的に何が運ばれたのかは明らかでないが、使用済み核燃料の再処理が行われたか、近く予定されているとも考えられる。
ただし、北朝鮮は寧辺の施設が衛星で監視されているのをよく承知していることから、この動きは単に対外的な脅しを狙ったにすぎないとの見方もある。