北朝鮮、拘束した米大学生の医療費2億円を米に請求
ワシントン(CNN) 北朝鮮で拘束され、米国に帰国後間もなく死亡した米大学生のオットー・ワームビアさんについて、北朝鮮が米国に対し、解放前に医療費として200万ドル(約2億2300万円)を支払うよう要求していたことが、関係者2人の証言で明らかになった。
関係者がCNNに語ったところによると、200万ドルの医療費は、当時米国務省の北朝鮮政策特別代表だったジョセフ・ユン氏が2017年6月、ワームビアさんの解放交渉のため平壌を訪れた際に請求された。
ワームビアさんは解放された時点で昏睡(こんすい)状態に陥っており、米国に帰国して数日後に死亡した。
ワームビアさんを連れて帰るようトランプ大統領から指示されていたユン氏は、当時のティラーソン国務長官に報告した上で請求書に署名し、ティラーソン長官からトランプ大統領に請求書のことを伝えたという。
別の関係者は25日、CNNに対し、トランプ政権は要求された金額を支払わなかったと語り、北朝鮮もその後はこの問題を持ち出さなかったと言い添えた。
この問題についてユン氏は25日、「これは外交的な交渉であり、私が確認することはできない」と述べ、ホワイトハウスのサンダース報道官も「人質交渉についてはコメントしない」としている。
ワームビアさんさんは2016年1月に北朝鮮で拘束された。17年6月に米国への帰国が実現した時には脳に重大な損傷を負って意識がない状態で、帰国から6日後に死亡した。