イラン、17歳2人の死刑執行 人権団体が非難
(CNN) 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは1日までに、イランで先週、17歳の若者2人の死刑がひそかに執行されたと明らかにした。
アムネスティが29日に発表したところによると、2人はいとこ同士。ともに15歳だった2017年、複数の強姦容疑で逮捕された。死刑は25日、南部シラーズの刑務所で執行された。
アムネスティによれば、本人たちは直前まで死刑判決を知らなかった。遺体には、亡くなる前にむちで打たれていたことを示す傷跡があった。
2人は捜査の段階で弁護士をつけることもできなかった。逮捕後の2カ月間、警察の留置施設に拘束されて暴行を受けたという。
死刑執行の前日に少年矯正施設からシラーズの刑務所へ移送された。家族はこの日に面会を許可されたが、死刑の予定について一切説明はなく、翌日遺体を引き取るよう連絡を受けた時に初めて知ったという。
アムネスティで中東・北アフリカ地域を統括するルーサー部長は、イラン当局が未成年者の死刑を家族への事前連絡なしに執行した例は過去にもあったと指摘。諸外国からの批判をかわすのが目的との見方を示した。
アムネスティがまとめた19年版の報告書によると、イランは死刑執行件数が中国に続く世界第2位。未成年者の死刑は世界で最も多い。1990~2018年の間に、18歳未満の少年97人の死刑執行が報告された。
ルーサー氏は、犯行当時に18歳未満だった被告を死刑にすることは国際人権法に違反し、子どもの権利侵害に当たると批判。イラン議会に対し、犯行時18歳未満だった被告への死刑を禁止する刑法改正を改めて求めた。