エジプトのムルシ前大統領、裁判所で死亡 公判中に発作
カイロ(CNN) エジプトのモハメド・ムルシ前大統領が17日、裁判所で心臓発作を起こして死亡した。国営メディアのアハラムが伝えた。
ムルシ前大統領は同国初の民主選挙で選ばれて大統領に就任したが、2013年の軍事クーデターで失脚し、スパイなどの罪で起訴されていた。
検察によると、ムルシ前大統領は結審前に証言することが認められていた。この日は5分間の証言の後、休憩に入り、ムルシ前大統領は裁判所内の勾留施設に戻されたが、そこで意識を失い、搬送先の病院で死亡が確認された。
弁護士によると、前大統領はこの日の公判で、「我が国が愛おしい。たとえ私を抑圧した国であっても。国民は称賛に値する。たとえ私に対して不当だったとしても」という詩の一節を引用して、発言を締めくくっていた。
前大統領は独房に収監され、弁護士との接見も、家族などとの面会も許されていなかったという。
イスラム組織の「ムスリム同胞団」を母体とするムルシ前大統領は、2011年の民主化運動「アラブの春」によって当時のムバラク政権が崩壊が崩壊したことを受け、12年6月に大統領に就任した。
しかし13年のクーデターで軍が実権を握り、ムルシ大統領は政権の座を追われて、ムスリム同胞団はテロ組織に指定された。同年8月には軍事政権に対する抗議デモで約1000人が死亡。その多くはムルシ前大統領の支持者だった。