インドの水危機が深刻化、抗議デモで500人以上逮捕
ニューデリー(CNN) インド南部タミルナドゥ州の州都チェンナイで、大規模な干ばつのために数百万人が深刻な水不足に直面している。20日には今年に入って初めて本降りの雨が降ったが、水不足は解消されそうにない。
同州のコインバトールでは19日、空の水タンクを巡り当局が対応を怠ったとして抗議する市民らが市庁舎前に詰めかけて、少なくとも550人が逮捕された。
チェンナイに水を供給する4つの貯水池は、ほぼ枯渇しかけている。
気象庁によると、20日の雨は翌日以降も続くと予想され、その間は猛暑も収まる見通し。
しかしタミルナドゥ州気象局によれば、降雨によって熱波からは一時的に解放されるものの、枯渇しかけた貯水池を満たす助けにはなりそうにない。「貯水池を満たす雨は11月まで期待できない」という。
地下水の水位が低下し、雨水も不足する中で、州政府はチェンナイの住民にトラックで水を配送しており、大勢の住民が長蛇の列をつくって水の配給を待っている。
インドは全土が熱波に覆われ、ムンバイやデリーなどの大都市も水不足に見舞われている。
水を巡って住民同士のけんかも発生し、チェンナイ各地で小競り合いが頻発。現地の非政府組織(NGO)によると、水を配送するトラックが乗っ取られたり、運転手が襲撃される事件も発生した。
野党ドラビダ進歩党は、タミルナドゥ州を襲う水危機を受けて、22日に全州的な抗議デモを呼びかけている。