イランタンカー拿捕、革命防衛隊元司令官が英に報復警告
(CNN) 英領ジブラルタル当局がイランのタンカーを拿捕(だほ)した件で、イラン革命防衛隊の元司令官は6日までに、タンカーが解放されない場合、イラン政府には英国の石油タンカーを拿捕する「義務」があると警告した。
このタンカーは4日未明、英海兵隊とジブラルタル当局の急襲を受けた。シリアに石油を輸送していたとみられており、欧州連合(EU)制裁違反の可能性が指摘されている。
革命防衛隊元司令官のモフセン・レザイ氏は、ツイッターで英国に警告。「英国がイランの石油タンカーを解放しない場合、我が国の当局者には報復して英国の石油タンカーを拿捕する義務がある」と主張した。
レザイ氏は現在、イラン最高指導者の諮問機関「公益判別会議」の幹部を務めている。軍の意思決定に関わっているかは不明。
英外務省はレザイ氏のツイートについてコメントはないと述べた。
英海兵隊とジブラルタル当局の急襲を受けたタンカー「グレース1」/Penny Mordaunt/Twitter
ジブラルタル自治政府は5日の声明で、同地最高裁判所の命令を受け、タンカーの拘束を最大14日間延長する方針だと表明した。最高裁は「対シリア制裁に関するEUの法令を順守する目的でタンカー拘束が必要と考える合理的な根拠がある」と判断したという。
自治政府のピカルド首相は4日、タンカーが「シリアのバニヤス製油所に原油を運んでいたと考える理由がある」としたうえで、同製油所について「EUの対シリア制裁の対象となっている組織の所有物」との見方を示していた。
EUは2011年、シリアのアサド政権による自国民の弾圧が続いていることを理由に、金融、通商、輸送分野の制裁を科していた。
シリア政府は今のところ拿捕に関して反応していない。