イランの低濃縮ウラン貯蔵量、核合意の上限突破
(CNN) 国営イラン通信(IRNA)によると、同国のザリフ外相は1日、低濃縮ウランの貯蔵量が2015年の核合意で定められた上限を突破したと発表した。
国際原子力機関(IAEA)によれば、現地の査察チームも上限突破を確認した。IAEAの報道官は、天野之弥事務局長が理事会にこれを報告したと述べた。
イランが米英仏独中ロの6カ国と結んだ核合意は、同国が制裁緩和と引き換えに、ウランの濃縮率を3.67%以下、貯蔵量を六フッ化ウラン(UF6)300キロ相当以下に抑えることを定めていた。
トランプ米政権が昨年5月、核合意から一方的に離脱して以来、イランが主要な合意義務に違反するのは初めてとされる。
ザリフ氏はツイッターを通し、核合意には違反していないと主張。イランには米国の離脱に対抗する権利があるとの考えを示した。
米国が合意離脱に伴って対イラン制裁を再開した後、イランは残る合意当事国である英仏独からの支援が十分でないと主張し、低濃縮ウランの上限を突破すると予告していた。
英仏独はイランの説得を試み、6月28日にウィーンで開いた会合でも上限突破を回避するよう呼び掛けたが失敗に終わった。
ザリフ氏はツイートで、上限突破は核合意の紛争解決条項に基づいた措置だと強調し、英仏独が義務を果たせばただちに撤回すると表明した。
トランプ大統領はこの動きについて、イランが危険な「火遊び」をしていると批判した。