カメラがとらえたアマゾンの孤立部族 保護へ呼び掛け
(CNN) ブラジル北東部マラニョン州のアマゾン熱帯雨林で、外部との接触を持たずに暮らす先住民「アワ族」の姿をとらえた映像が公開された。
ブラジル先住民の映画製作者集団「ミディア・インディア」が、森林を守る活動の一環として公開した。
アワ族の近くに住み、熱帯雨林保護に取り組むグアジャジャラ族のメンバーが撮影した1分間の映像にはまず、なたに似た道具を手にした男性が登場する。男性がカメラを直視しているような場面もある。
続いてもう1人、弓矢のような物を持った人物が一瞬だけ現れ、2人は茂みの間を走り去っていく。
この映像は、23日公開のミディア・インディアによる13分間の環境ドキュメンタリーに使われている。
撮影者は、アワ族の居住地の近くに森林伐採の拠点ができていると指摘。「アワ族から撮影許可は得ていないが、この映像を活用するのは重要なこと。私たちがこれを世界に見せなければ、アワ族は伐採業者に殺されてしまう」と話す。
先住民保護の活動に取り組むNGO「サバイバル・インターナショナル」によれば、アワ族は世界の中でも大きな脅威にさらされている部族の一つだという。
ブラジルでは今年初めに発足した右派ボルソナロ政権の下で環境政策が見直され、森林開発の規制や監視体制が緩和されて伐採や農地拡大、鉱物の採掘が加速している。アマゾンの森林破壊のペースが今年6月、前年に比べて60%も加速するなど、同政権の政策の影響が表れ始めたとの指摘もある。