ドイツ州議会選、極右政党が躍進 メルケル政権に打撃
(CNN) ドイツ東部のザクセン州とブランデンブルク州で1日、州議選が行われ、反移民政策などを掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が両州で躍進した。1日は、第2次世界大戦の開戦から80年を迎え、ポーランドで式典が行われた。
AfDはザクセン州の議会選で、メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ2位につけた。ブランデンブルク州の選挙でも社会民主党(SPD)に次ぐ2位となった。
今回の結果は、連立政権を組むCDUとSPDにとって打撃となりそうだ。また、AfDにとっては勝利といえるだろう。AfDのザクセン州での得票率は27.5%と、5年前と比べて約3倍を記録。ブランデンブルク州での得票率は23.5%とこちらも倍近くに増やした。
AfDは2017年に極右政党として約60年ぶりに連邦議会で議席を得ていた。
AfDは過去10年で、欧州連合(EU)懐疑派の泡沫政党から議会の最大野党へと変化した。ここ数年は移民やイスラム教に焦点を移し、メルケル政権が掲げる寛容な移民政策に対して批判の矛先を向けている。
民族主義的なメッセージがザクセン州やブランデンブルク州など旧東ドイツの地域で共感を呼び、AfDにとっての地盤となっている。
こうした地域は、石炭産業の衰退によって打撃を受け、ドイツ西部と比較して雇用や給与の面で依然として後れを取っている。こうした状況が極右政党にとって追い風となっている。今回の州議会の選挙結果はドイツ再統一から約30年が経過しても依然として東部と西部の間に深い溝が存在していることを浮き彫りにした。