香港行政長官、「逃亡犯条例」改正案を完全撤回

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香港政府トップの林鄭月娥行政長官。「逃亡犯条例」改正案を正式に撤回した/PHILIP FONG/AFP/AFP/Getty Images

香港政府トップの林鄭月娥行政長官。「逃亡犯条例」改正案を正式に撤回した/PHILIP FONG/AFP/AFP/Getty Images

香港(CNN) 香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は4日のテレビ演説で、刑事事件の容疑者を中国本土へ引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正案を完全に撤回すると表明した。

香港で続く大規模な反政府デモは今年6月、立法会(議会)で審議されていた逃亡犯条例の改正案に対する抗議をきっかけに始まった。林鄭氏は同月、法案を棚上げにしたものの、デモ主催者らが要求する完全撤回には今まで応じていなかった。

林鄭氏は演説で「市民の懸念を完全に鎮めるため、法案を正式に撤回する」と明言した。そのうえで、不満の対象は法案だけにとどまらず、政治、経済、社会面の幅広い問題に及んでいるとの認識を示した。

同氏の発言に対し、親中派の田北辰(マイケル・ティエン)議員は「撤回が遅すぎたかもしれない。この運動は法案だけの問題ではなくなっている」と語った。

デモ主催者らは現在、法案の撤回だけでなく、警察の暴力についての徹底調査や普通選挙の導入など5つの要求を掲げている。今になって完全撤回を表明しても、市民感情が好転することはないとの見方が強い。

林鄭氏をめぐっては今週、非公開会合で辞任の意向を示した発言の録音テープが流出していた。しかし同氏は3日の会見で、中国の中央政府に辞任を申し出ることは考えたこともないと強調した。

撤回表明の裏には、中国建国70周年を祝う10月1日の国慶節までに事態を収束させたいとの意図があったとも考えられる。

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