「南シナ海判決無視なら開発権益譲渡」、習主席が提案 ドゥテルテ大統領

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南シナ海問題で、中国とフィリピンが共同資源開発をめぐる駆け引きを展開/Kenzaburo Fukuhara/Kyodo News/Getty Images

南シナ海問題で、中国とフィリピンが共同資源開発をめぐる駆け引きを展開/Kenzaburo Fukuhara/Kyodo News/Getty Images

(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領は13日までに、中国の習近平(シーチンピン)国家主席との会談に触れ、南シナ海を巡るフィリピンの主張を支持した仲裁裁判所の判決を無視すれば、共同資源開発の権益の過半数を譲渡するとの提案を受けたことを明らかにした。

オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は2016年、中国には南シナ海の大部分に対して歴史的な権利を主張する法的根拠がないとの判断を示していた。

CNNフィリピンによると、ドゥテルテ氏はフィリピンで記者団に、フィリピンが常設仲裁裁判所の判断を無視すれば、排他的経済水域(EEZ)内にある石油・天然ガス共同開発事業の権益の60%をフィリピン側に譲渡し、中国の権益は40%にとどめると習氏から提案されたことを明かした。

EEZでは陸地から200カイリ以内にある天然資源に関して沿岸国に独占的な権利が付与される。フィリピンのEEZは国連海洋法条約で定められ、中国やベトナムが領有権を主張する海域と重複している。

ドゥテルテ氏は先週、北京で習主席と会談。中国国営の新華社通信によると、習氏は「南シナ海問題を適切に処理する限り2国間関係は良好のままで、関係の基礎は揺るがない。地域の平和と安定にとって重要な保証になるだろう」と述べた。

中国外務省の報道官は記者会見でこの件に直接言及しなかったものの、フィリピンには「石油・天然ガスの共同開発で中国との協力を促進する用意がある」としている。

両首脳は昨年、南シナ海の共同資源開発で協力することで暫定合意した。中国の領土拡張主義を警戒するフィリピン国民からは反発の声が多く上がっていた。

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