中国戦闘機、南シナ海ウッディー島に配備 衛星画像で判明
香港(CNN) 複数の国が領有権を争う南シナ海ウッディー島に、中国が少なくとも4機のJ10戦闘機を配備したことが、CNNの入手した衛星画像で明らかになった。ウッディー島への戦闘機配備が確認されたのは2017年以来。
衛星画像は19日に撮影されたもので、情報企業イメージサット・インターナショナルがCNNに提供した。同社によると、南シナ海にある中国の実効支配下の島でJ10が確認されたのは初めてだという。
南シナ海では依然として緊張の高まりが続いている。中国の習近平(シーチンピン)国家主席は来週日本で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせてトランプ米大統領と会談する予定だ。
ウッディー島と飛行場の全景/ImageSat International
衛星画像を見たアナリストらは、戦闘機が野外に駐機している点などの重要性に言及。J10が最大10日間にわたり同島にとどまっていたことを示していると指摘する。
豪空軍の元将校でグリフィス大学アジア研究所の研究員、ピーター・レイトン氏は「中国は戦闘機の存在を気付かせようとしている。そうでなければ格納庫に駐機するはずだ」と述べた。
米太平洋軍統合情報センターの元責任者、カール・シュスター氏はJ10の配備について「ウッディー島が自国の領土であり、いつでも望むときに軍用機を配置できると誇示する」狙いがあるとの見方を示した。
2010年に珠海市で開かれた航空ショーで飛行するJ10戦闘機/China Photos/Getty Images/File
J10の戦闘行動半径は約500マイル(740キロ)で、南シナ海の大半や海上交通の要衝地を範囲内に収めている。
ウッディー島は中国名「永興島」で、パラセル(西沙)諸島で最大の島。パラセル諸島は約337万平方キロにわたって広がる南シナ海の北部から中部にかけて位置する。ベトナムと台湾も同諸島の領有権を主張しているが、1974年以降は中国の実効支配下にある。