死者千人超、アジアで最悪のデング熱流行 気候変動で世界に拡散
デング熱はネッタイシマ蚊が媒介する感染症で、気温と湿度が高い熱帯や亜熱帯地域で雨季の間に発生する。
専門家によると、気候変動によって温度や湿度が上昇した影響で、メスの蚊が卵を産む理想的な環境が形成された。蚊が増えただけでなく、アジア諸国で進む急激な都市化に伴い、デング熱を媒介する蚊との距離も近付いている。
デング熱は蚊が媒介する感染症の中では最も急激に拡散し、過去50年で30倍に増えた。世界保健機関(WHO)によると、流行が発生する国はかつては9カ国のみだったが、現在では100カ国を超え、世界の人口の半分以上が危険にさらされている。
地球温暖化に伴う気温の上昇が続けば、蚊が媒介する感染症のリスクにさらされる人は2080年までに10億人増えるという予想も発表された。
デング熱の季節は世界を覆う異常気象の影響で変動し、いつ、どこで流行が起きるかの予想は難しくなると専門家は指摘している。