エクアドル政府が首都から脱出、抗議デモ激化
(CNN) 南米エクアドルのモレノ大統領が、政府を首都キトから南部のグアヤキルに移転させると発表した。キトでは燃料費補助の廃止に抗議するデモが激化していた。
モレノ大統領は7日に行ったテレビ演説で政府の移転を発表。国防当局者は、デモ隊によって人質に取られた兵士50人あまりを救出する必要があることを明らかにした。
エクアドルは国際通貨基金(IMF)から42億ドルの融資を取り付け、モレノ大統領は経済改革の一環として燃料費補助の廃止を表明。これに対する抗議デモや暴動が5日連続で続いていた。
国防省の7日の発表によれば、兵士らは燃料費補助の打ち切りに抗議する先住民の団体に拉致されていた。
労働組合や運輸組合も強く反発し、全土でストを呼びかけている。
道路を封鎖する抗議デモ隊/Dolores Ochoa/AP
当局によると、抗議デモに関連して7日までに470人以上が逮捕された。
労組の代表はエクアドルのテレビ局に対し、燃料費補助の廃止を撤回するまでストを続けると予告した。
閣僚の一人は7日の記者会見で、抗議デモを主導している先住民団体に対し、略奪や暴動をやめさせるよう訴えている。
モレノ大統領はテレビ演説の中で、左派のコレア前大統領や、ベネズエラのマドゥロ大統領らが暴動をあおっていると主張。その根拠は明らかにしなかったが、燃料費補助廃止は撤回しないと言明した。
現在はベルギーに住むコレア前大統領は、ツイッターでモレノ大統領を「裏切者」と呼び、モレノ大統領は「終わった」として選挙の実施を呼びかけた。
エクアドルでは1997~2007年にかけて3回にわたり、先住民主導の抗議デモのために大統領が辞任に追い込まれている。