首都で衝突続くチリ、6夜連続で夜間外出禁止 国連人権特使派遣へ
(CNN) 暴動が続く南米チリの首都サンティアゴで24日、再びデモ隊と警官隊が衝突した。政府は6夜連続で夜間外出禁止令を延長。ピニェラ大統領の謝罪も事態の鎮静化にはつながらず、これまでに確認された死者は18人に上っている。
前チリ大統領のミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官は24日、チリで伝えられる人権侵害の訴えについて調査するため、特使を派遣すると発表した。
暴徒化するデモ隊に対し、警官隊は催涙弾やゴム弾、放水で対抗。首都の一部は7日連続でまひ状態に陥っている。
23日には南東部のサンペドロ・デラパスで人込みに車が突っ込んで4歳児を含む2人が死亡する事件もあり、事態の一層のエスカレートにつながった。
人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)はチリ政府に対し、デモ隊による犯罪とともに、過剰な武力を行使した治安部隊の犯罪についても捜査するよう求めた。
HRWは「警察の残虐な場面をとらえた画像について深く憂慮している」と述べ、「治安部隊は人権を尊重する必要があり、侵害行為に関与した要員に対しては即座に公平な捜査を行わなければならない」と強調している。
チリは中南米有数の富裕国だが、同時に世界の中でも筆頭級の賃金格差がある。経済協力開発機構(OECD)によると、チリの労働者は非正規雇用や一時雇用で働く人がほぼ3分の1を占めており、2人に1人は読み書き能力が低いとされる。