軽油4万リットルが海上流出、手つかずの自然に「壊滅的な」影響も チリ沖
(CNN) 南米チリの南端にあるグアレリョ島付近で、4万リットルの軽油が海上に流出し、チリ海軍が配備されて対応に当たっている。
軽油の流出は27日に発生し、グアレリョ島で資源採掘を行っているチリの鉱山会社CAPが海軍に報告した。グアレリョ島は、アルゼンチンとチリをまたぐ南端のパタゴニア地域にある。
流出した軽油は南太平洋にまで到達し、現場に派遣された海軍部隊が対応に当たっている。海軍は、汚染された海水およそ1万5000リットルの拡散を28日までに阻止したと報告した。
流出した原因は現時点で分かっておらず、チリ海軍が調査に乗り出した。
グリーンピースのチリ支部は29日に発表した声明で、今回の流出は環境に対する「壊滅的な」影響を及ぼしかねないと指摘した。この海域は手つかずの自然が残され、クジラやイルカといった海洋哺乳類が大量に生息しているといい、そうした海洋生物に重大な影響を及ぼす恐れがあるとしている。
CAPは調査に協力すると表明し、ロイター通信に寄せた声明で、標準的な対策に加え、現場の恒久的なモニタリングを行う準備を進めていると説明した。
グアレリョ島は石灰岩の埋蔵量が多く、CAPが採掘の拠点として使っている。周辺のパタゴニア地域は多様な生態系で知られ、希少な植物や絶滅危惧種が生息している。