最高指導者殺害もISISは死なず、再起を準備か
バグダディ容疑者亡き後も、ISISが消滅することはない。ビンラディン容疑者の率いた組織がそうだったように、形を変えて存続する可能性がある。
一方で、中東は依然として過激派組織が生まれやすい状況にある。域内の独裁政権が体制に批判的な人々を厳しく弾圧するなか、最も過激かつ暴力的な勢力が反体制派の主流を形成するようになるからだ。シリア、エジプト、イラク、サウジアラビアで刑務所や拷問のための施設に入れられ、そこからどうにか生還した人々はしばしばこうした勢力に合流する。
つまり独裁体制に起因する過激主義の土壌を打ち壊さない限り、新たなバグダディ容疑者が出現する事態は避けられないということだ。