大規模森林火災の豪州、シドニーで水不足の懸念
(CNN) オーストラリアが大規模な山火事と過去数十年で最悪の干ばつに見舞われる中、500万超の人口を抱える大都市シドニーで水不足の懸念が広がっている。市内に水を供給するダムは水位が下がり、CNN系列局の7ニュースによると、2022年までに干上がる可能性もあるという。
豪南東部シドニー大都市圏では今年6月以降、レベル1の取水制限が実施されている。プールに水を張ったり、人が見ていない状態でホースの水を出すといった際の水の使用量を制限する措置で、実施は03年以来となる。
シドニー大都市圏にある複数のダムの貯水率は現在46.6%だが、ニューサウスウェールズ州の水道当局によれば、今後は40%に低下する見通し。その場合、来年の2月か3月までにはレベル2の取水制限を実施することになるという。
レベル2の取水制限の下では、日常の活動における水の使用に一段の制約が加わる。例えば庭に水をまくのは週に2~3日しか認められず、毎日まくことはできなくなる。
同州のメリンダ・ペイビー水担当相は、「現行のペースで貯水率の低下が続けば、2~3年で困難な状況に追い込まれる恐れがある」と警鐘を鳴らす。また現在の干ばつについては、州の記録上最悪の部類との見方を示した。
ニューサウスウェールズ州とクイーンズランド州で猛威を振るう森林火災に対しては、この1カ月間で1300人を超える消防士が出動して消火活動にあたっている。この時点でニューサウスウェールズ州では、昨年の森林火災シーズン全体の3倍に相当する面積の土地が焼失した。南半球のオーストラリアは、これから本格的な夏に入る。