脱原発進めるドイツ、放射性廃棄物の埋蔵地探しが難航

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専門家チームは来年中に、ドイツ国内の候補地を選定したい考え(廃棄物を国外に輸出する計画はない)。貯蔵施設が最終的に封印されるのは、2130年~2170年になる見通し。

コミュニケーションの専門家は、全く違う言葉を話していることも予想される今から数千年後の世代に向けて、埋蔵地を破壊してはいけないと伝える手段の確立に取り組んでいる。

これは、探検家がエジプトのピラミッドに立ち入るような状況だと専門家は指摘、「『好奇心は良くない』と伝えなければならない」と話している。

今のところ、放射性廃棄物の受け入れに前向きな姿勢を示す自治体や住民は存在しない。

その背景には、かつての処分場をめぐるトラブルで国民の不信感が強まった経緯もある。

岩塩鉱山だったドイツ東部のアッセとモルスレーベンは、1960年代~70年代にかけて低レベルおよび中レベルの放射性廃棄物処分場として使われていたが、現在の安全基準を満たすことができなくなり、多額をかけて閉鎖せざるをえなくなった。

高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設計画に反対して線路をふさぐ人々=201年、ゴアレーベン郊外/ Allgaier/ullstein bild via Getty Images
高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設計画に反対して線路をふさぐ人々=201年、ゴアレーベン郊外/ Allgaier/ullstein bild via Getty Images

高レベル廃棄物に対する不安はさらに大きい。ドイツ西部ニーダーザクセン州ゴアレーベンでは住民が40年以上もの間、高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設計画に反対する運動を続けてきた。

政府は根強い反対の声を受け、処分場の候補地探しを最初からやり直す方針を決めた。それでも住民の警戒心はまだ解けない。

世界に400以上ある原子力発電所の多くが寿命の終わりに近づく中で、廃棄物貯蔵の問題は一層差し迫った課題になると専門家は予想している。

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