旅客機撃墜 イランで反政府デモ、革命防衛隊司令官が責任認める
(CNN) イランが「人的ミス」と認めたウクライナ旅客機の撃墜に対し、首都テヘランで11日、学生ら数千人が抗議デモを展開した。
デモ隊はテヘランの旧米大使館に近いアミルカビル大学の前に結集した。ソーシャルメディアに投稿されたビデオには、参加者らが最高指導者ハメネイ師の退陣と撃墜責任者の訴追を求め、「独裁者に死を」などと唱える様子が映っている。デモ隊がハメネイ師に対し、「この国から出て行け」と呼び掛けるビデオもあった。
イランのファルス通信は、政府が誤射を認めたことを受けて、乗客らの冥福を祈る集会が抗議デモに発展したと伝えた。学生らが道路の通行を妨害したため、警察が排除したという。犠牲者の中には、大学を卒業してカナダへ移り住もうとする若者らも含まれていた。
革命防衛隊の航空部隊を率いるハジザデ司令官は11日の記者会見で、防空システムの操作担当者が旅客機を巡航ミサイルと誤認したと説明。担当者は司令部に確認しようとしたが連絡が取れず、撃墜するかどうかを10秒以内に決断しなければならなかったと述べた。
ハジザデ氏は会見で責任を認め、事実が判明した時に「死にたい」とまで思ったことを明かした。
ウクライナの検察は、旅客機撃墜を「故意の殺人および航空機の破壊」として捜査していると発表した。
イランのロハニ大統領は同日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会見し、同国の国民に謝罪の意を表した。ゼレンスキー氏はツイッターに、イランが誤射を認めたことは「正しい方向への一歩」だと書き込んだ。
トランプ米大統領はツイッターを通し、米政権は今後もイラン国民の味方だと表明。「皆さんの抗議行動を注意深く見守り、皆さんの勇気に励まされている」と述べた。