ロシア内閣が総辞職、プーチン氏の憲法改正案受け 権力維持に布石か
モスクワ(CNN) ロシアのメドベージェフ首相は15日、プーチン大統領が包括的な憲法改正を提案したことを受け、内閣総辞職を発表した。プーチン氏は改憲の提案により、大統領の任期満了後も権力を維持する布石を打った可能性がある。
プーチン氏は内閣の働きに感謝を示す一方、「全てが解決したわけではない」とも指摘。近い将来に各閣僚と会談する考えも明らかにした。総辞職する閣僚にはメドベージェフ首相自身も含まれる。
これに先立ち、プーチン氏は大統領の権限を縮小し、首相と議会の権限を強化する憲法改正案を提案していた。大統領の権限を議会に移すことで、ロシアで長年取り沙汰されていた権力構造の変化が起きる可能性がある。
プーチン氏の任期は2024年に終わる。批判派からは、プーチン氏が任期満了後も実権を維持するため、権限の強化された首相職に就任することなど、様々なシナリオを検討しているとの見方が出ている。
メドベージェフ氏は声明で、総辞職はプーチン氏の提案する改革に道を開くための措置だと示唆。プーチン氏の改憲案について「憲法条項の数々だけでなく、権力バランス全体にとって重大な変化」を示す内容だと指摘した。
ロシア大統領府によると、プーチン氏はメドベージェフ氏の後任にミハイル・ミシュスチン税務庁長官を指名した。
国営タス通信はボロディン下院議長の話として、下院が16日に次期首相についての審議と採決を行う予定だと報じている。