イランのミサイル攻撃、米兵に負傷者出ていた 政府発表と矛盾
(CNN) 米軍も駐留するイラク軍のアサド空軍基地に対しイランが今月行った弾道ミサイル攻撃で、米軍の要員に複数の負傷者が出ていたことが17日までに分かった。米国防総省は当初、攻撃による負傷者はいないと発表していた。
イラクとシリアで過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦う米国主導の有志連合は16日、声明を発表し「1月8日にイランが実施したアサド空軍基地に対する攻撃で、米軍の要員に死者は出なかった。ただ数名が爆発による脳振盪(しんとう)を起こし、治療を受けた。現在も検査が行われている」と明らかにした。
要員らは検査のため、ドイツの医療センターに移送された。検査を受け、任務に復帰可能との判断を受ければイラクへ戻る予定だという。
また米軍当局者の1人はCNNに対し、要員11人がミサイル攻撃によって負傷したと述べた。負傷者の存在はニュース配信サイト「ディフェンス・ワン」が最初に報じていた。
国防総省の発表と食い違う点を問われた防衛担当の当局者は、「それは当時の司令官による検証結果だった。症状はその事象の数日後に明らかとなり、念のために手当てを行った」と説明した。
国防総省の報道官はCNNの取材に答え、当初の記録を修正したと述べた。国防長官のオフィスも、負傷者について把握しているという。
16日夜には米中央軍の報道官が11人の負傷者について、8人をドイツの医療センターに、3人をクウェートの基地に移送して検査を受けさせていると明らかにした。そのうえで「標準的な手続きとして、爆発の付近にいた要員は誰もが、外傷性脳損傷の有無を調べる検査を受ける。場合によっては別の施設に搬送し、より高度な治療を施す」と付け加えた。