トランプ大統領の弾劾裁判が開廷、議員ら宣誓 米上院
(CNN) 米上院で16日、トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾(だんがい)裁判が開廷し、裁判長を務めるロバーツ最高裁長官と、大統領罷免(ひめん)の可否を判断する上院議員が宣誓を行った。
米大統領の弾劾裁判は史上3例目。この日の手続きは儀礼的なもので、実際の弁論は21日から始まる。
議場ではまず、上院議員が座席から見守るなか、弾劾管理人を率いるシフ下院情報委員長(民主党)が訴追決議を読み上げた。その数時間後にロバーツ氏が宣誓を行い、続けて各議員が宣誓書に署名した。
大統領の罷免には共和党の上院議員20人の造反が必要となることから、無罪判決が出るのはほぼ確定的だ。ただ、波乱要素がないわけではなく、上院共和党トップのマコネル院内総務は党内の要求や民主党からの圧力、トランプ氏の気まぐれなツイートへの対応を迫られそうだ。
今週の段階でも既に、トランプ氏の顧問弁護士ルディ・ジュリアーニ氏の協力者、レブ・パーナス被告が、大量の証拠資料を下院情報委員会に提出するという展開があった。ジュリアーニ氏は昨春、当時のマリー・ヨバノビッチ駐ウクライナ大使の解任を画策した上、ウクライナ側にバイデン前副大統領と息子の調査を働きかけたとされる。
さらに、政府機関を監視する政府監査院(GAO)は16日、議会が予算を割り当てた対ウクライナ軍事支援をトランプ政権が凍結したのは違法との見方を示した。
こうした証拠は民主党の主張に組み込まれる可能性が高い。民主党は弾劾条項として、トランプ氏がウクライナへの軍事支援やホワイトハウスでの首脳会談を保留しつつ、バイデン父子に対する調査を要求したことを挙げている。