豪州首都に非常事態宣言、森林火災の悪化懸念
(CNN) オーストラリアの首都特別地域(ACT)政府は1月31日、森林火災が急速に拡大する恐れがあるとしてキャンベラ市に非常事態を宣言した。
ACTのバー首席大臣は記者会見で、火災は同地域の面積の約8%に達し、キャンベラは高い警戒水準にあると警告。39万人以上の住民がいるACTの南部地域について2003年の火災以降、最悪の火災に直面しているとも訴えた。
猛烈な熱波、風や乾燥気候が相まってキャンベラ南方の郊外は今後数日内に危険にさらされるだろうとの危機感を表明。予測も制御も出来ない状態に陥る恐れがあると強調した。
火災の煙は連邦議会議事堂の周囲も覆う/Mark Evans/Getty Images
ACT政府の声明によると、今回の非常事態宣言は1月31~2月2日の間の火災の予想範囲に基づく。住民に対し差し迫った危険が現在なくても生存のための行動計画を練るよう促した。
豪州気象庁は、1日の最高気温は41度と予想した。
豪州の森林火災シーズンは昨年7月下旬から始まり、広範囲の地域で過去数十年間で最悪規模の被害を受けている。犠牲者は20人以上で、膨大な面積の土地が焼失。ニューサウスウェールズ州での被害が最もひどく、数千棟規模の民家が全焼や損傷した。
シドニー大学の生態学者は全土で10億匹以上の動物が死んだり、餌もなく逃げ場もない状況にあるとも推測した。