アイルランド首相が辞意表明、選挙敗北で議会の信任得られず
(CNN) アイルランドのバラッカー首相は20日夜、議会での信任投票の結果を受けて辞任する意向を表明した。現時点で明確な後継者は現れておらず、当面暫定的な指導者の地位にとどまるとしている。
アイルランドでは8日の総選挙以降、政治的な膠着(こうちゃく)状態が続いている。投票の結果、単独で政権を樹立できる党が存在しなくなったためだ。
新たに当選した議員らが次期首相を決める投票を20日に行ったが、当選に必要な80票に対し統一アイルランド党党首のバラッカー氏の得票数は36票にとどまった。
他の候補者では共和党のミホル・マーティン党首が41票、シン・フェイン党のメアリー・ルー・マクドナルド党首が45票をそれぞれ獲得した。統一アイルランド党と共和党はともにシン・フェイン党との連立を拒否しているが、共和党が統一アイルランド党の支持を取り付けることになればマーティン氏が首相の座に収まる可能性が出てくる。
バラッカー氏は2017年に統一アイルランド党の党首に選出され、首相に就任。同国史上最年少にして同性愛者を公言する初の首相となっていた。