元傭兵マイケル・ホアー氏、100歳で死去 「マッド・マイク」の異名も
(CNN) 「マッド・マイク」の異名をとった世界的に有名な傭兵(ようへい)の1人、マイケル・ホアー氏が死去したことが4日までに分かった。100歳だった。遺族が明らかにした。
元会計士のホアー氏は、1960年代のコンゴ動乱や80年代のセーシェルでのクーデター未遂で傭兵部隊を率いて戦い、その名を知られるようになった。
19年にインドでアイルランド人の両親のもとに生まれ、英イングランドの寄宿学校で学んだ。教師の1人から南アフリカで起きたボーア戦争への従軍経験を聞き、影響を受けたという。
第2次世界大戦中は英陸軍に所属し、インドとビルマ(ミャンマー)に赴いた。48年に公認会計士の資格を取得すると南アフリカへ移り住み、会計士や自動車ディーラーとして働いたが、60年代には再び軍務を生業(なりわい)とするようになった。
息子のクリス・ホアー氏によると、当時のマイケル氏は「反共産主義の熱情」に突き動かされ、「ワイルド・ギース」とあだ名の付いた傭兵部隊を率いて現在のコンゴ民主共和国で起きた反乱に参加した。
コンゴでの戦いぶりは広く知られるところとなり、78年にはこれを題材にした戦争映画「ワイルド・ギース」が公開された。俳優リチャード・バートンが演じた主人公のアレン・フォークナー大佐はホアー氏がモデルだった。
81年にはインド洋の島国セーシェルへ傭兵チームと赴いてクーデターを試みたが、空港で武器を発見され失敗。エア・インディアの旅客機をハイジャックして南アに戻ったところで当局に逮捕された。この罪により、南アの刑務所で2年9カ月服役した。
遺族の声明によると、ホアー氏はその後フランスで20年暮らし、10年前から再び南アに住んでいた。
今月2日、南アフリカ・ダーバンの養護施設で息を引き取ったという。