新型コロナ検査を郵送で、民間の有料サービスに申し込み殺到 英
ロンドン(CNN) 一般国民のほとんどが新型コロナウイルスの検査を受けられない状況にある英国で、民間企業が提供するメールオーダー方式の検査に申し込みが殺到している。
ハンコック英保健相は2日、4月末までには1日に10万人の検査ができる態勢の確立を目指すと発表した。
だが今のところ、病院でそうした国費による検査を受けられるのは重い症状のある人や医療従事者などに限られ、国民のほとんどは検査を受けられずにいる。
そこでDNA検査を手がける英民間企業のライトアングルドが、健康診断キットを転用して有料の新型コロナウイルス検査に乗り出した。料金は1回約200ポンド(約2万7000円)。申し込むと検査キットが郵便で届く。綿棒でのどをこすって検体を採取し、専用の袋に入れて返送すると、3日ほどで結果が送られてくる仕組み。
同社のアブダラ・サブヤ最高経営責任者(CEO)によると、申し込みはわずか1週間で数千件に上った。国民保健サービス(NHS)の職員には半額の100ポンドで提供しているが、英国の需要急増に対応することはできていない。
ジョンソン首相は先週、検査をできるだけ早く普及させると表明しており、ライトアングルドのようなサービスは、その溝を埋める存在でもある。
ただ、そうしたサービスに対しては、金持ち相手の営利目的行為ではないかと疑問視する声や、最前線の医療従事者に照準を絞るべきテスト業界の資源を奪うことになるのではないかといった批判も出ている。
英医療品規制当局によると、現時点で政府に承認されている一般向けの郵送による有料検査は存在しない。