北朝鮮で709人検査、509人隔離 感染ゼロを主張
(CNN) 世界保健機関(WHO)は8日、北朝鮮内でこれまで実施された新型コロナウイルスの検査は700回を超え、今月2日の時点で500人以上が隔離の処置を受けていることを明らかにした。
北朝鮮でWHOの代表者を務めるエドウィン・サルバドール博士がCNNの取材に電子メールで応じた。北朝鮮は国内で確認された感染者は皆無と主張し続けている。
同氏によると2日時点で検査の対象となったのは計709人で、外国人11人に地元の人間が698人。陽性反応の事例はなかった。隔離の対象者は外国人2人を含む509人。
WHOは北朝鮮の保健省から新型肺炎などに関する最新データを週ごとに受けているとした。北朝鮮の国立試験所は新型コロナの検査能力を保持しているという。
サルバドール氏によると、北朝鮮では昨年12月31日以降、計2万4842人の隔離措置が解除された。このうち380人が外国人だった。今年1月には中国から新型肺炎に関する教本や検査器具などを受け取ったという。
一方、在韓米軍のロバート・エイブラムス司令官は9日までに、感染者はいないとする北朝鮮の主張に触れ、「有り得ない」と一蹴(いっしゅう)する見解を示した。
CNNと米政府系放送局「ボイス・オブ・アメリカ」との共同会見で「我々が入手した全ての諜報(ちょうほう)に基づけば不可能な主張」と切り捨てた。
司令官は、北朝鮮内にいる感染者数は特定出来ないと指摘。その上で、「2月から3月初旬にかけての約30日間、北朝鮮軍の活動が止まり、国境で厳格な措置が講じられたことを承知している」と指摘した。