新型コロナのワクチン、英国で臨床実験開始 外出制限は来年まで続く可能性
ロンドン(CNN) 新型コロナウイルスの感染を予防するワクチンの臨床実験が英国で始まっている。しかし英政府の専門家は、他人との距離を置くソーシャル・ディスタンシング対策は来年まで続ける必要があるかもしれないとの見通しを示した。
英主席医務官のクリス・ウィッティ氏は22日、ワクチンや治療薬が来年中に利用可能になる可能性は「極めて小さい」と予想、「我々は他の社会的対策に頼らなければならなないだろう」と話している。
英オックスフォード大学は、23日からのワクチン臨床実験開始を確認した。同大のワクチン学教授サラ・ギルバート氏はタイムズ紙に対し、ワクチンの有効性については「80%の確信」があると述べ、9月までに100万回分の準備が整うことが期待されていると語った。
オックスフォード大のワクチン候補「ChAdOx1 nCoV-19」は、無害なチンパンジーのウイルスから作成された。
同大によると、このワクチンはこれまでに320人以上に投与され、安全性や耐久性が確認されているものの、一時的に発熱や頭痛、腕の痛みなどの副作用を引き起こすこともある。
英国では、どうしても必要な理由がない限り外出を制限する措置を3月23日から続けている。
新規の症例数は横ばい状態に差しかかっており、政府は次の段階として、検査を通じて感染者数や抗体を持つ人の実態を把握することを目指す。