ミャンマー、覚せい剤2億錠など違法薬物押収 アジア史上最大規模
香港(CNN) ミャンマー警察は18日、アジアで数十年ぶりとなる大規模な摘発を行い数億ドル相当の違法薬物を押収したと明らかにした。その中には合成オピオイドを作るのに使用する化学物質などが「過去に例のない」量含まれているという。
摘発はミャンマー北東部のシャン州にある村を中心とした3カ月にわたる捜査の一環として行われた。今回の摘発で33人が逮捕されている。
警察はメタンフェタミンの錠剤およそ2億錠、クリスタル・メス500キロ以上、違法薬物製造の原料となる化学物質35.5トンなどを押収した。ミャンマー当局と国連薬物犯罪事務所(UNODC)が共同声明で発表した。
このほか、フェンタニルのような強力な合成オピオイドを作るのに使用する液体のメチルフェンタニルも3750リットル近く押収された。東南アジアで当局がこれほど大量のフェンタニルならびにその類似物を発見するのは初めてとみられる。
これまで東南アジアでは米国で見られるような合成オピオイドの危機的な蔓延(まんえん)は発生していなかった。しかし、専門家は、ここへきてアジアの麻薬製造業者らがヘロインなどに変わる薬物として合成オピオイドの供給を選択した可能性があると警鐘を鳴らす。
UNODCの地域担当者は、今回見つかった量のメチルフェンタニルを使用すれば域内の1年分のヘロイン生産に匹敵する規模の合成オピオイドを作ることも可能だったとの見方を示している。