ポンペオ米国務長官、香港版国家安全法の提案を非難 「死を告げる鐘」
(CNN) ポンペオ米国務長官は22日、中国政府が香港版国家安全法の制定を全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に提案したことについて、香港の自治に「死を告げる鐘」になると非難した。
ポンペオ氏は声明で、「中英連合声明と香港基本法の下で保証された香港の自治と自由を侵害するような決定を下せば、一国二制度と香港の地位に関するわれわれの評価に影響が及ぶことは避けられない」と述べた。
香港版国家安全法は扇動や国家分裂、中央政府の転覆を禁じる内容になるとみられている。今年の全人代で導入が決まる予定。
ポンペオ氏は中国政府に対し「破滅的な提案を再考し、国際的な義務を順守して、高度な自治と民主制度、市民の自由を尊重するよう強く求める」と要請。自治などの尊重は米国法上、香港の「特別な地位」を維持するうえで重要な判断材料だと指摘した。
新型コロナウイルスの世界的な流行が続くなか、米中間では言葉の応酬が激しさを増している。トランプ政権はこれまで、中国が初期段階での透明性の確保を怠ったと非難してきた。
香港は一国二制度の下、中国政府の管轄下にありながら一定の民主主義や市民的自由を保持する。米国との間でも通商上の特別な地位を有しており、中国本土には認められない一定の例外的措置が適用されている。
米国では昨年、香港の民主派デモを支持する「香港人権民主法」が議会を通過し、トランプ大統領の署名で成立した。同法の下、米国は香港の自治が維持されているか毎年検証して議会に報告する必要があり、自治が不十分と判断された場合、香港は特別な地位を失う可能性がある。