香港の国家安全法反対デモに数千人が参加、警察が催涙ガス
香港(CNN) 香港の自治と市民の自由を脅かす中国政府提案の「国家安全法」に反対するデモが24日、香港で開かれ、市民ら数千人が参加した。
国家安全法に反対するデモ行進は当局の許可を得ずに行われ、警察は開始から1時間もたたないうちに、参加者に向けて催涙ガスを噴射した。
香港では新型コロナウイルス対策のソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)規制により、8人超の集会が禁止されている。インターネットに流れた映像には、デモ参加者が警官に対して物を投げつける様子が映っている。
香港全土に大勢の警官が配備される中、デモ参加者は同日正午ごろ、繁華街の銅鑼湾(コーズウェイベイ)に集まり始めた。「健康トーク」として届け出たデモ行進は許可されず、警察は違法と判断して解散を命じた。
それでも数千人がデモ行進に参加し、「香港の解放を」「香港の独立を」などのスローガンを叫んだり、独立支持の青い旗を掲げたりしながら目抜き通りを行進した。国家安全法が制定されれば、こうした行動は禁止される可能性が大きい。
デモに参加したメイシー・ウォンさん(26)は、「独立は香港の長期的な目標」「近い将来に実現はできないかもしれないけれど、最終的にはそれを望む」と力を込めた。
歩行者が全国人民代表大会の様子を伝えるスクリーンの下を歩く様子=21日/Anthony Wallace/AFP/Getty Images
国家安全法は扇動や国家分離、体制の転覆を禁止する内容になる見通し。
中国の王毅(ワンイー)外相は24日、全国人民代表大会の記者会見で、国家の安全を守るための仕組みをつくり出すのが中国中央政府の役割だと述べ、「我々は遅滞なくこれを実現しなければならない」と強調した。