黒人男性死亡事件への抗議拡大、ロンドンやパリで数千人がデモ
(CNN) 米ミネソタ州で黒人男性が死亡した事件をきっかけに広がった抗議運動は欧州各地にも拡大し、6日にはロンドンやパリで数千人規模の平和的なデモが実施された。
ロンドンでは政府や警察が新型コロナウイルス感染対策の外出自粛を呼び掛けるなか、中心部の広場に数千人が集結。死亡した男性の名前や「黒人の命は大事」というスローガンを叫び、一斉にひざまずくなどして差別に抗議した。
参加者の1人はCNNに「これは世界中の問題。みんなで立ち上がらなければ」と話した。
ロンドン市内では先週末も同様のデモがあり、3日には黒人俳優のジョン・ボイエガさんが演説で涙ながらに差別反対を訴えていた。
パテル英内相はこの日、テレビ局とのインタビューで言論の自由に理解を示す一方、英国は今も新型ウイルス感染のパンデミック(世界的大流行)のさなかにあると指摘。デモ参加の自粛を呼び掛けた。
デモの現場では対人距離のルールもほぼ無視されていたが、無料でマスクや手袋を配る人々の姿もみられた。
ロンドン警視庁は「デモ隊と車両の両方を守るため」として広場への道路を封鎖し、軽装備の警官を多数配置した。
フランス・パリのシャン・ド・マルス公園で行われた抗議デモ=6日/Francois Mori/AP
パリでは同日、米大使館前に集まったデモ隊が「人種差別もパンデミック」などのスローガンを掲げ、「黒人に生まれたことは犯罪ではない」と主張。エッフェル塔前の公園で数千人規模の集会が開かれた。
仏当局は感染対策を理由にこうした集会を禁止しているが、リール、マルセイユ、ニースでもデモが実施された。仏メディアによると、リールでは警官隊がデモ隊との衝突で催涙ガスを使用した。