コロナ警鐘後に死亡した医師の妻、男児を出産 中国・武漢
北京(CNN) 中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスについて警鐘を鳴らし、自身も感染により2月に死亡した医師、李文亮さんの妻が男児を出産したことが分かった。妻が現地時間12日午前、中国国営の荔枝新聞に明らかにした。
中国のソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」に書き込んだ亡き夫へのメッセージでは、「天国から見えますか? あなたの最後の贈り物がきょう生まれました。必ず大切に面倒を見ていきます」と記している。
李氏の活動拠点だった武漢は、新型コロナウイルスの世界的な流行の震源地となった。
今年2月7日、香港で行われた李氏の追悼式/Anthony Wallace/AFP/Getty Images
李氏は昨年12月、市内で危険性の高い新型ウイルスが発生したとの情報が浮上した際、これに警鐘を鳴らすメッセージを医学校の卒業生仲間に送信した。
この行動について李氏は今年2月、CNNの取材に対し、「私はただ大学の同級生たちに注意を促したかっただけだ」と振り返っている。
警鐘を鳴らして間もなく、李氏は武漢警察に目を付けられ、うわさを流布した疑いを指摘された。そして自身の「罪」を認め、二度と「違法行為」を犯さないと誓約する文書に署名させられた。
2月1日、李氏は検査で新型コロナ陽性が判明。それから1週間もたたないうちに34歳の若さで亡くなると、インターネット上では悲嘆や憤り、言論の自由や政府の説明責任を求める声が広がった。