香港、抗議デモで300人逮捕 反政府のポスター撤去やアカウント削除も
香港(CNN) 香港国家安全維持法(国安法)が導入された香港が新たな現実に直面している。国安法違反の疑いで初の逮捕者が出たほか、反政府デモを支持するポスターが店頭から撤去され、多くの人々がSNSへの投稿やアカウントを削除している。
香港の繁華街、銅鑼湾(コーズウェイベイ)地区では新法に対する抗議で集結したデモ隊に対し、機動隊が催涙スプレーを発射し、放水銃を導入した。このデモで国家安全法違反の容疑で初の逮捕者が出た。
1日の逮捕者は少なくとも300人に上った。警察によれば、男性5人、女性4人が国安法違反の容疑で逮捕された。
国安法は、国家分裂や政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託を犯罪として扱い、最高刑を終身刑とする内容。
国際社会から国安法に対して非難の声が出ている。英国は1日、新法は香港の自由に対する脅威だとして、資格を持った香港の住民が市民権を得られる方策を提供する考えを明らかにした。
一部の政治家や活動家グループは国安法の対象となることを恐れて、施行前に活動を停止した。街中では商店主らが反政府デモを支持するポスターを撤去する動きがみられたほか、多くの人々がSNSへの投稿やアカウントを削除した。住民の1人は取材に対し、ネット上で仮想プライベートネットワーク(VPN)を利用することや、香港を離れることを検討する必要があるかもしれないと述べた。
香港では毎年7月1日の返還記念日に民主化デモが実施されてきたが、今年は警察の許可が下りていなかった。