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ロシア、新型コロナのワクチンを来月承認か 安全性や有効性に疑問も

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ロシア、新型コロナのワクチンを来月承認か

モスクワ(CNN) ロシア政府が今後2週間以内に新型コロナウイルスのワクチンを承認するとの見通しが明らかになった。同国の当局者らがCNNに語った。

当局者らは、モスクワのガマレヤ研究所で開発されたワクチンについて、来月10日までに一般向けとして承認することを目指し、まず医療従事者への接種を開始すると語った。

ワクチン研究に出資しているロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフ総裁は、世界初の人工衛星となった旧ソ連のスプートニク1号と同じく、ロシアが米国より先に目標を達成すると述べた。

ただしロシア当局は、このワクチンに関する試験結果のデータを公表していない。CNNは安全性や有効性を確認できず、まだ臨床試験が完了していないとの懸念も指摘される。

世界では現在、開発中のワクチンが数十種類あり、一部はすでに治験の最終段階となる第3相に入ったが、いずれも承認の具体的な日程は発表されていない。一方でロシアのワクチンは、第2相試験が来月3日に完了した後、医療従事者への接種と並行して第3相試験を進める計画とされる。

同国の科学者らによると、新たなワクチンはほかの病気のワクチンを応用して開発された。同じアプローチは他国や他社でも採用されている。27日からワクチンの第3相試験を開始している米モデルナ社も、かつてMERS(中東呼吸器症候群)に対する実験段階のワクチンに使った技術を応用した。ただし欧米の規制当局は、このようなワクチンについても治験の全段階を完了するよう求めている。

ロシアのプーチン大統領。新型コロナのワクチン接種を同氏が受けたとの報道を同国政府は否定/ALEXEY NIKOLSKY/SPUTNIK/AFP/Getty Images
ロシアのプーチン大統領。新型コロナのワクチン接種を同氏が受けたとの報道を同国政府は否定/ALEXEY NIKOLSKY/SPUTNIK/AFP/Getty Images

ロシアのワクチンは風邪の原因となるアデノウイルスを弱めたベクター(運び手)に新型ウイルスの遺伝子を搭載させてつくる。ベクターを1種類でなく2種類使い、2回目の接種を必要とすることが特徴だ。

当局者によれば、科学的データは現在準備中で、8月初めには公表される見通しだという。

ロシア国防省によると、治験には軍兵士らが参加した。開発プロジェクトを率いるアレクサンドル・ギンズブルク氏はCNNへのコメントで、新たなワクチンの接種を自身がすでに受けことを明らかにした。

ドミトリエフ氏は承認手続きを優先的に進めていることについて、「科学者たちは一番乗りになることでなく、国民を守ることに集中している」と強調した。

ロシアのワクチン開発をめぐっては、同国が米国やカナダ、英国の研究機関から機密情報を盗んでいるとの説や、プーチン大統領がすでに接種を受けたとの説も浮上したが、当局はどちらも否定している。

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