仏大統領、レバノン支援で各国に結束訴え 政府の改革も要求
(CNN) レバノンの首都ベイルートで起きた爆発から5日が経過した9日、支援策を協議する国際会議が開かれた。フランスのマクロン大統領は会議の冒頭、世界の指導者に対し「一丸となってレバノンとその国民を支える」よう訴えた。
会議はビデオ会議形式で行われた。マクロン氏はトランプ米大統領を含む世界の指導者に対して「我々の目的はベイルート市民のニーズを満たすために共同で資金を出資することだ」と呼び掛けた。
一方で、改革も必要だとの考えを明確にし、「8月4日の爆発は落雷のようなものだ。今こそ目を覚まし行動すべき時だ」と指摘。「レバノン当局は国民が求める政治経済の改革を実施する必要がある。国際社会が再建でレバノンと効率的に協力できるようにするためには、それが唯一の道だ」と訴えた。
爆発があった港で転覆した船=8日/Marwan Tahtah/Getty Images
マクロン氏はまた、支援にかかわるトランプ氏ら16人の首脳への謝意を示した。イスラエルも支援に意欲を示したとも述べた。
一方、ベイルートの街頭では大勢の人が清掃作業に当たった。一部の参加者からは、当局がいつどのような対応を取るのかについて懐疑的な声も聞かれた。
ベイルート中心部の清掃作業を手伝いに行くエチオピアからの移民の人々/Luna Safwan for CNN
レバノンは既に深刻な経済的苦境に陥っていたが、今回の爆発でベイルートの港湾地域は壊滅し、市内全域で建物が損壊。死者は少なくとも158人に上り、数十人が今も行方不明となっている。負傷者も6000人を超える。
悲しみが怒りに変わるなか、8日には数万人のデモ隊がベイルート中心部に繰り出し、爆発の責任が指摘される政治指導層への「報復」を要求した。
ベイルート中心部で治安部隊に投石する抗議デモの参加者=8日/STR/AFP/AFP via Getty Images