タイで続く反政府デモ、前例のない王室改革要求も

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集会には学生や反政府を訴えるデモ隊が集まった=16日/Lauren DeCicca/Getty Images

集会には学生や反政府を訴えるデモ隊が集まった=16日/Lauren DeCicca/Getty Images

タイ・バンコク(CNN) タイの首都バンコクにある民主記念塔前で16日に開かれた反政府デモに推定1万人が集まり、一部からは王室改革を訴える声が上がった。わずか数カ月前までは考えられない事態だった。

今回の抗議デモは、軍が6年前に実権を握って以来、最大の規模だった。タイでは1カ月ほど前から全土で学生がほぼ連日のデモを開始し、参加者は社会の幅広い層に拡大している。

タイでは昨年3月の選挙後も、軍司令官だったプラユット首相が引き続き政権を率いる。これに対して若者が不満を募らせていたが、16日のデモでは幅広い年齢層の参加者が、民主改革や軍が制定した憲法の改正、議会の解散を訴えた。

王室の改革を訴える急進派は、少数ながらも増えつつある。タイ王室は国民から神のような存在と見なされており、国王や王族を中傷すれば不敬罪に問われて15年の禁錮を言い渡される可能性がある。この法律が政治的道具として使われるケースも増え、一般市民が不敬罪に問われることもある。

それでもかつては私的な場でささやくことしかできなかった不満の声が、スピーカーフォンを通じて数千人に向けて流されるようになった現状は、タイの統治機構に対するデモ参加者の幻滅の大きさを物語る。

民主記念塔前で携帯電話の明かりをともす学生ら=16日、バンコク/Lauren DeCicca/Getty Images
民主記念塔前で携帯電話の明かりをともす学生ら=16日、バンコク/Lauren DeCicca/Getty Images

これについて京都大学のパウィン・チャッチャワーンポンパン准教授は、「非常に急進的であり、転換点になるかもしれない」と指摘する。同氏自身もタイからの亡命者。「タイには長く続いた王室至上の伝統がある。王室は崇拝され、国民は無条件に王室を愛さなければならない」と解説している。

バンコク市内のタマサート大学で10日に行われた抗議集会では10項目の改革要求を掲げ、王室を憲法下に置く真の立憲君主制の実現を求めていた。

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