バチカン、司教任命めぐる中国との合意を2年延長
(CNN) キリスト教カトリック総本山のバチカンは22日、司教の任命をめぐる中国政府との合意をさらに2年延長したことを明らかにした。
この合意は2018年に結ばれたもので、詳細は公表されていない。カトリック関係者や米国務省のポンペオ長官からは批判の声が上がっていた。
しかしバチカンはこの合意について「多大な価値がある」と述べ、「カトリック教会のため、中国の人たちのために、開かれた建設的な対話を追求する」とした。中国内のカトリック教徒は公式統計で約600万人。
2018年以前は中国側が、中国本土での司教の任命に関する最終権限は中国政府にあると主張していたのに対し、バチカン側はローマ教皇のみが任命権を持つと主張していた。
合意が結ばれたことで、長年にわたったバチカンと中国の緊張状態は解消された。中国とバチカンは1951年、カトリック教会の聖職者を巻き込んだ中国指導者に対する暗殺計画が発覚したことを受け、国交を断絶していた。
この合意は、全世界でカトリック教会の信者拡大を目指すフランシスコ教皇の構想の一環で、人口が世界一多い中国で数百万人の改宗を促す一助となる可能性がある。
これに対し、伝統的に人権やキリスト教の価値を守ってきた教会が、ますます統制を強める中国政府と積極的に力を合わせることには批判の声も上がっていた。
10月にはポンペオ長官がカトリック誌への寄稿で、中国との合意はバチカンの道徳的権威を損なうと述べていた。