安楽死は「殺人行為」、ローマ教皇庁が強く非難
ローマ(CNN) ローマ教皇庁(バチカン)は22日に発表した文書の中で、安楽死を「決して正当化できない殺人行為」と形容して強く非難した。一部の国で安楽死を合法化する法案が検討される中、安楽死や自殺幇助(ほうじょ)を禁じるカトリック教会の立場を改めて強調した。
17ページの文書の中でローマ教皇庁は、安楽死を「人命に対する罪」と形容し、「あらゆる状況や境遇において本質的な悪の行為」と位置付けた。さらに、安楽死や自殺幇助を認める法律を支持する者は、「他人が犯す重大な罪の共犯者」だとしている。
安楽死は、苦しんでいる患者に対して医師が致死薬を投与する行為を伴う。これに対して自殺幇助は、一般的には医師の監修の下で、患者が自ら致死薬を投与する。
安楽死や自殺幇助は現在、米国では9州と首都ワシントン、欧州ではオランダ、ベルギー、ルクセンブルクの3カ国が合法化している。伝統的にカトリック教徒の国だったスペインとポルトガルでは現在、安楽死を合法化する法案が審議されている。
カトリック教会は、神の法に触れるとして死を手助けすることに反対しており、フランシスコ教皇も医師に対し、死を手助けしたいという誘惑を退けるよう促していた。
22日に発表された文書では、医療従事者や家族が終末期の患者の苦しみに寄り添うことを奨励し、地域社会よりも「自主性と個人主義」を重んじる文化のために、終末期の患者が命を絶つ行為が容認され、手助けされているとして非難した。