リビア沖で海難事故、移民74人死亡 国際移住機関
(CNN) 国際移住機関(IOM)は12日、リビア北西部フムスの沖合でボートが海難事故に遭い、乗っていた移民少なくとも74人が死亡したと明らかにした。
IOMの声明によると、ボートには女性や子どもを含む120人超が乗っていたとの情報がある。生存者47人が沿岸警備隊や漁民によって救出される一方、31人は遺体で収容された。被害者の捜索が続いている。
IOMによると、地中海中部では10日以降にボート2隻が転覆し、子ども2人を含む少なくとも19人が溺死(できし)していた。非政府組織(NGO)「オープン・アームズ」が3回出動して計200人以上を救出したという。
IOMリビア部門のトップ、フェデリコ・ソダ氏は声明で、地中海で命を落とす人が後を絶たない現状について、国家が捜索救助の専門要員を再配置する断固たる行動を取れていないことの表れだと指摘した。
10月には西アフリカのセネガル沖でも、少なくとも140人の移民が溺死する事故が発生。これについてIOMは今年最悪の海難事故だとしている。
当時のIOMの説明によると、このボートは約200人を乗せてスペインのカナリア諸島に向かったものの、セネガル西部ムブールを出港してから数時間で出火し、同国北西部のセントルイス近くで転覆した。
IOMによると、今年はこれまで、少なくとも900人が欧州を目指して渡航中に地中海で溺死した。救助の遅れが死亡につながったケースもある。