ペルー、1週間で3人目の大統領就任 政治の不安定さ露呈
(CNN) 南米ペルーで17日、フランシスコ・サガスティ国会議長(76)が暫定大統領に就任した。政治体制の崩壊が顕著な同国にあって、1週間で3人目の大統領となった。
ペルーでは今月9日、ビスカラ元大統領が汚職疑惑を受けて罷免(ひめん)され、後任のメリノ暫定大統領も15日に辞任を発表していた。ビスカラ氏は疑惑について否定している。
サガスティ氏は来年4月の大統領選まで大統領職を務め、情勢の安定化を図る。新型コロナウイルスの感染が猛威を振るうなか、ペルー国民は政争に明け暮れる政治家らへの不満を募らせている。
ペルーの政局の危機的状況について、独ベルリンのフンボルト大学で政治学を専攻するデニス・ロドリゲスオリバリ氏は、大統領と野党が多数派を占める議会との4年にわたる対立の結果だと指摘する。
暫定大統領を辞任したマヌエル・メリノ氏/Luis Iparraguirre/AP
ビスカラ氏の罷免後、憲法の規定に従い国会議長だったメリノ氏が暫定大統領となったが、国内ではこの動きに反発する大規模デモが発生。メリノ氏は就任からわずか5日での退陣を余儀なくされた。
大規模デモで2人が死亡した/Beto Baron/Getty Images
デモでは2人が死亡し、数十人が負傷した。ロドリゲスオリバリ氏はデモの要因として、民主主義が攻撃を受けているとの認識が国民に広まったと分析。国会議長が大統領に就任すれば、2つの政治権力の間でのチェック機能やバランスが失われる恐れがあるためだとの見方を示した。