ピザ店員の「うそ」でロックダウン入り、170万人対象 豪南部
(CNN) オーストラリアの南オーストラリア州当局は20日、州全域で最近導入したロックダウン(都市封鎖)について、新型コロナウイルスに感染したピザ店員の「うそ」をきっかけに発動したことを認めた。店員が調査に対し、テークアウトの受け取りに入店しただけだと主張したため、感染力の高いタイプのウイルスがまん延していると判断して封鎖に踏み切ったという。
南オーストラリア州には170万人が住む。マーシャル州首相は記者会見で、店員が接触追跡チームにうそをつかなければ、州がロックダウン入りすることはなかっただろうと説明。新たな情報を基に、6日間の予定を繰り上げて早期に封鎖を解除すると発表した。
州警察のトップによると、この人物は当初、持ち帰り用のピザを受け取るために短時間だけアデレード市内のピザ屋に入ったと主張したものの、実際は店の従業員として通常のシフト勤務に就いていた。
この人物がごく短時間の曝露(ばくろ)で感染したとの想定から、当局は感染力の高いタイプのウイルスだと結論づけた。
その後、南オーストラリア州は18日にロックダウン入り。州内では4月以来となる数十件の市中感染が確認され、感染拡大のホットスポットとしてピザ屋が特定されていた。
店員の説明がうそと判明したことを受け、州の自宅待機命令は22日午前0時に解除される。住民は屋外で運動したり、従来の制限での生活に戻ったりすることが認められる。
州首相と警察トップはいずれも、ロックダウンを導入した判断を擁護。当時の情報に基づけば正しい判断だったと述べた。うそをついた人物が罰金などの処罰を科されることはないとしている。