セルビア正教会の総主教、コロナで死去 感染死した主教の開棺式葬儀を主催
(CNN) 新型コロナウイルスに感染し入院していたセルビア正教会のイリネイ総主教が20日、同国の首都ベオグラードの病院で死去した。90歳だった。同教会が声明で明らかにした。
イリネイ総主教は今月1日、新型コロナのため死去したモンテネグロのセルビア正教会トップ、アンフィロヒエ府主教の葬儀を主催。その3日後に自身も新型コロナの検査で陽性と判定され入院した。
葬儀中、アンフィロヒエ主教の遺体は棺(ひつぎ)を開けた状態で安置され、その後モンテネグロのポドゴリツァにある教会の地下室に埋葬された。
11月1日、モンテネグロのアンフィロヒエ府主教の葬儀を執り行うイリネイ総主教(中央)/Boris Pejovic/EPA-EFE/ShutterstoCK
この教会の前には大勢の人が集まり、混雑した教会内で顔を覆っていた参列者はわずかだった。葬儀をとらえた映像には、参列者が慣習に従ってアンフィロヒエ主教の手や額にキスする様子が映っている。
イリネイ総主教を含め、葬儀を執り行った聖職者はいずれもマスクを着用していなかった。
セルビアのブチッチ大統領は20日、イリネイ総主教が死去したことを確認し、総主教の写真をインスタグラムに投稿。「あなたと知り合えて光栄だった」などと記した。
セルビア正教会はこれより前の声明で、イリネイ総主教は19日に容体が悪化して挿管を受けたと明らかにしていた。
イリネイ総主教は1930年8月27日生まれ。2010年にセルビア正教会の精神的指導者である総主教に就任した。
セルビア保健省の報告によると、20日の時点で同国の新型コロナ感染者は10万4097人、死者は1110人となっている。