スペイン、ワクチン拒んだ人をリストに登録 EU間で共有
マドリード(CNN) スペインのサルバドール・イリャ保健相は、同国で新型コロナウイルスのワクチン接種を拒んだ人の情報をリストに登録し、欧州連合(EU)加盟国との間でその情報を共有すると語った。
イリャ保健相は28日、同国のテレビ局ラ・セクスタのインタビューの中で、この制度について「勧められて単純に断った人の登録制度」と説明した。
ただ、ワクチン接種を義務付けることはしないとイリャ保健相は述べ、スペインのデータ保護法に基づき登録情報は公開しないと強調している。
この方針に対して医療従事者からは危惧する声も出ている。看護師団体の代表は、登録情報がどう使われるかが重要だと述べ、「『自分が悪人リストに掲載された』というのなら話は別だ。登録情報が自由の侵害のために使われたり、雇用主によって従業員に対して使われたりすべきではない」と念押しした。
スペインでは27日から、EUによる承認を受けて米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの接種が始まった。
28日のイリャ保健相のインタビューの数時間後、スペイン医薬品局のトップはラジオ局のSERに対し、登録情報は「ワクチンを拒む理由について、疑念か拒絶かを理解する目的で」使うと説明。「登録は匿名」であり、「個人が特定される可能性はない」と言い添えた。
スペインは全土の17州でワクチン接種が行われている。このうち南部アンダルシア州の衛生当局はCNNの取材に対し、登録名簿にワクチンを接種したかどうかの情報を記載していることを明らかにした。ただ、ワクチンを拒んだ一般市民の情報を登録したリストは存在しないとしている。