運転手のサンドイッチも没収、英EU離脱で一変したオランダ国境管理の現実
ロンドン(CNN) 欧州連合(EU)を離脱した英国の対岸の国、オランダ。国境検問所で入国者からサンドイッチなどの食品が没収されている様子を、同国のテレビ局が撮影した。
公共放送NPO1が放映した映像の中でオランダの国境係員は、国際フェリーターミナルのあるフクファンホラントに到着した車の運転手にこう説明していた。「ブレグジット以降、肉や果物、野菜、魚といった食品を欧州に持ち込むことはできなくなりました」
1人のドライバーがアルミホイルに包んだサンドイッチを手に、肉をあきらめればパンは持っていてもいいかと尋ねた。国境係員の答えは「いえ、何もかも没収されます。ブレグジットへようこそ。すみません」だった。
アルミホイルに包んだサンドイッチが没収された/EenVandaag
英国が単一市場と関税同盟から離脱した今、国境を越える物品は検疫などの検査の対象になった。
英政府はEU加盟国との間で物品を輸送するドライバーに対し、ハムやチーズサンドイッチといった食肉や乳製品を含む「動物由来製品」は持ち込めないと勧告、「手荷物や車両の中、あるいは人が禁止品目を携帯している場合、国境で、または国境前で使用、消費、破棄する必要がある」とした。
欧州委員会のガイドラインでも「肉や牛乳、その産物を含む私用品は、EUの動物の健康に対する真の脅威をもたらす」としている。
国境係員はNPO1の取材に対し、コロナウイルス関連の制限が緩和されれば、渡航者の流入が増えて入国待ちの時間はさらに長くなると予想、「今は見ての通り、今朝も車30台と極めて少ない」「新型コロナ対策がなくなれば、この数が増えて待ち時間も長くなるだろう。イライラを招くのは間違いない」と話している。