ワクチン供給は「不公平」、メキシコが安保理で問題提起へ
メキシコ市(CNN) 新型コロナウイルスワクチンの世界各地への分配状況について、メキシコが国連安全保障理事会に「不公平」で「不平等」との問題を改めて提起する構えを示した。
メキシコのエブラルド外相は16日、メキシコ代表団が17日の安保理会合で苦情を申し立てると予告。ワクチンの生産国に比べ、中南米・カリブ海諸国の接種率ははるかに低いと指摘した。
メキシコは複数の契約により、最終的に計2億3000万回分あまりのワクチンを調達する予定だが、これまでに接種できたのは75万回にとどまっている。
ワクチンの供給がひっ迫するなか、一部の国による買い占めを懸念する声はメキシコだけでなく、多くの国から上がっている。
米国やイスラエル、中国、英国などの富裕国はすでに多くの接種回数を誇る一方で、まだ接種が始まってさえいない貧困国も多い。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は先月、ワクチンが貧富の差を固定する壁の一部になるとの懸念を示していた。WHOが設けた共同購入の国際的枠組み「COVAX(コバックス)」は、今年末までに貧困国などへ約20億回分を供給するとの目標を掲げている。
COVAXを通した分配はまだ始まっていないが、計画によると、中南米・カリブ海諸国には6月末までに最低3500万回が供給される。それでも、この地域で感染拡大を抑えるのに必要とされる5億人への接種には、まだ程遠い規模にとどまる見通しだ。