スイスで顔を覆う服装の禁止問う国民投票、小差で可決

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ブルカ禁止を呼び掛けるポスター=2月4日、スイス・ローザンヌ/Fabrice Coffrini/AFP/Getty Images

ブルカ禁止を呼び掛けるポスター=2月4日、スイス・ローザンヌ/Fabrice Coffrini/AFP/Getty Images

(CNN) スイスで7日、イスラム教徒の女性が全身を覆い隠すベール「ブルカ」や、目だけを出して上半身を覆う「ニカブ」を含む顔を覆う服の着用禁止が国民投票にかけられ、小差で可決された。

道路や公共施設、公共交通機関、レストラン、店舗や田園地帯など、公の場での着用をほぼ全面的に禁止する内容。国民投票では賛成票が51.21%、州別の集計でも賛成州が過半数を占めた。

禁止対象には観光客らも含まれ、例外は礼拝所などの宗教施設のみ。ただし健康、安全、天候上の理由や祭りなど地方行事のために顔を覆うことは認められる。

ブルカ禁止の動きに反対する人々=3月5日、スイス・ジュネーブ/Jean-Christophe Bott/EPA-EFE/Shutterstock
ブルカ禁止の動きに反対する人々=3月5日、スイス・ジュネーブ/Jean-Christophe Bott/EPA-EFE/Shutterstock

右派のスイス国民党などが着用禁止を主張したのに対し、国内の宗教組織や人権団体、連邦政府が批判的な立場を示していた。提案はイスラム教を名指ししていないものの、スイスのメディアでは広く「ブルカ禁止」案として報道されていた。

スイス連邦参事会(内閣)と連邦議会は禁止反対の立場から代替策として、身元確認のために警察などから覆いを取るよう求められた場合に従うことを義務付ける案を提示していた。

反対意見の中には、国内で実際に着用している人はごく少数に限られ、禁止してもほとんど意味がないとの声もあった。

同国では12年前の国民投票で、イスラム教寺院の尖塔(せんとう)「ミナレット」の新設が禁止された。顔を覆うベールの着用も地方レベルではすでに2州が禁止、さらに一部の州がデモ参加者の着用を禁止していた。

欧州では仏独などがすでにブルカやニカブを禁じている。最初にフランスが2011年、公共の場での着用を禁止。14年に欧州人権裁判所がこれを支持する判断を示したが、国連人権委員会は18年、人権侵害に当たるとの見解を示した。

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